職場で改めて感じた「先輩のすごさ」──利用者一人ひとりに寄り添う介護の姿勢

介護の現場には、尊敬すべき「背中」を見せてくれる先輩がいます。

今日、私はそんな先輩のすごさを改めて実感する出来事がありました。

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厳しくも頼りになる先輩の存在

私の職場に、介護福祉士として20年近くの経験をもつ先輩がいます。

いつも大きな声ではっきりと物を言うので、少し怖がられている一面もあります。正直、私も時々注意を受けるときには「ドキッ」とします。でもそのアドバイスの一つ一つが、どれも私にとって本当に大切なことばかり。今回も、身が引き締まるような気づきがありました。

利用者様の姿勢変化がもたらした、思わぬ危険

その日の朝、私は寝たきりの利用者様のオムツ交換を行い、クッションなどを使ってベッド上の姿勢を整えました。特に問題ないと思いながら、その場を離れたのですが──

1時間ほど経ったころ、その先輩がその方の部屋に入った際、異変に気づいたのです。

利用者様の足がベッドから落ち、床についてしまっていた。しかも、寝返りの際に顔を枕に伏せるような危険な体勢になっていたと。

その報告を聞いたとき、私は背筋が凍る思いがしました。「あんなに気をつけたはずなのに、どうして……?」という気持ちと、自分の対応が不十分だったのではという怖さ。

経験からくる深い観察力と判断力

先輩は私を責めることなく、冷静に状況を説明してくれました。

その利用者様は、強い拘縮があるものの、ベッド上で体を動かす力はお持ちの方です。

今回のような状況は、姿勢を整えるために使ったクッションが、その方の体動と合わず、結果的に寝返りを引き起こしてしまった可能性があるとのことでした。

私はその説明を聞きながら、「この先輩は、本当に一人ひとりの状態をよく見て、最善の方法を見極めているんだ」と深く感じました。

「厳しさ」の奥にある利用者様への深い思い

たしかに、先輩は厳しいことも言います。仕事中にピリッとした空気が流れることもあります。

でも、その言葉の奥には、いつも「利用者様にとって何が一番良いか」を第一に考えている優しさがあります。

もし今回、先輩がすぐに気づいてくれていなかったら──

もしかしたら、その利用者様は呼吸が苦しくなるような危険な状況に陥っていたかもしれません。そう思うと、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

介護に必要なのは「気配り」と「経験」と「学び続ける姿勢」

今回の出来事を通して改めて感じたのは、介護は「誰にでも同じ方法が通用するわけではない」ということ。

マニュアル通りにやっても、その人の身体状況や性格、日々の変化によって、適切な対応は変わってきます。

だからこそ、経験を積み重ねながらも、常に学び続ける姿勢が大切なんだと思いました。

そして、今回のように先輩から受けた言葉を素直に受け取り、自分の中に取り込んでいくことが、私自身の成長にもつながるはずです。

明日から私ができること

今日の出来事を通して、私は「一人ひとりを丁寧に見ること」の大切さを学びました。

そして、厳しいと思っていた先輩が、本当はとても優しい人で、私たち後輩にも大切なことを教えてくれていることに、改めて気づくことができました。

明日からまた気を引き締めて、利用者様一人ひとりに向き合いながら、自分の介護を見つめ直していきたいと思います。

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