広島に続き、今回の旅の目的は「歴史を知ること」でした。
長崎では戦争や原爆の悲劇だけでなく、信仰の自由がなかった時代を生きたキリシタンの人々の強さにも触れることができました。家族で歩く時間の中に、忘れてはいけない人間の尊厳を感じる旅でした。
異国の風薫るグラバー園で感じた「始まりの場所」
初日は長崎港を見渡せるグラバー園からスタート。
異国の香り漂う洋館と、穏やかな港の風景。ここがかつて、日本の近代化への“窓口”であったことを思うと胸が熱くなります。
石畳の坂を登ると、明治時代にタイムスリップしたような錯覚。日本と西洋の文化が交わる場所には、人々の夢と苦労が刻まれていました。
夜は稲佐山の夜景。
世界三大夜景に数えられるその光の海に、しばらく言葉を失いました。
「今日も生きていてよかった」――そんな想いが自然に湧き上がる美しさです。
締めくくりは中華街近くの居酒屋での家族団らん。
地元のお刺身をいただきました。旅先で囲む食卓は、普段よりもずっと温かく感じます。
母の願いが叶った五島列島・福江島の旅
2日目は、長崎港から船で五島列島・福江島へ。
母がかつて新聞で読んだ「心温まるガイドさんの記事」に惹かれ、「いつか行ってみたい」と話していた場所です。
その夢がついに叶いました。
ガイドさんは地元出身。福江島をこよなく愛し、島の魅力をまるで我が子のように語ってくれます。
訪れた大瀬崎灯台では、東シナ海を見下ろす断崖に吹く潮風が心を洗ってくれました。
高浜ビーチは真っ白な砂浜とエメラルドグリーンの海。誰もいない海岸線に立ち、自然の偉大さを全身で感じました。
一緒にツアーを回った方々との出会いもまた、旅の宝物。
年齢や立場が違っても、同じ風景を見て笑い合える――そんな時間が人生を豊かにしてくれます。
父が願った「二十六聖人記念碑」と平和への祈り
最終日は、父が訪れたいと話していた二十六聖人記念碑へ。
ちょうど修学旅行の子どもたちが先生の話を聞いており、その側で耳を傾けました。
信仰の自由が奪われていた時代に、命を懸けて信念を貫いた人々。
「今、自分たちは本当に自由で豊かな時代に生きている」――そう実感しました。
続いて訪れたのは原爆資料館。
広島に続く二度目の平和学習の場です。
展示を通して感じたのは、「戦争の記憶を受け継ぐこと」こそが未来への責任だということ。
涙が止まらなくても、目をそらしてはいけない現実があります。
その後立ち寄った浦上天主堂のステンドグラスは、再生の象徴のように輝いていました。
平和公園を歩きながら、家族みんなで静かに祈りを捧げました。
帰り道、父が「長崎はいい街だなあ」と言いながら観光案内所で“移住のパンフレット”を手に取ったのが印象的でした。
家族みんなで「いいところだったね」と笑い合いながら、長崎を後にしました。
心が豊かになる「学びの旅」を続けたい
旅は、観光地を巡るだけではありません。
そこに生きた人々の想いを感じ、自分たちの今を見つめ直す時間でもあります。
広島に続き、長崎でもまた「生きる意味」「平和」「家族」を深く考えることができました。
どんなに忙しくても、心を立ち止める時間を。
そんな旅を、これからも家族と重ねていきたいと思います。
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