最近、寒さが骨身にしみるようになっていませんか。
若い頃は冬でも平気だったのに、今は足先や手が冷えてなかなか温まらない──そんな変化を感じる方は多いと思います。実は「冷え」は年齢とともに落ちていく筋肉量と関係があります。
今回は、50代からでも始められる“筋肉で温める体づくり”についてお話しします。
冷えやすい体になっていく理由
年齢を重ねると、どうしても筋肉が落ちていきます。
筋肉は、体の中で熱を生み出す工場のような存在。筋肉量が減ると、体がつくる熱の量も少なくなり、冷えやすくなるのです。
特に、下半身の筋肉が衰えると、血液を心臓に戻す“ポンプ”の力が弱まり、手足の先まで血が巡りにくくなります。
ふくらはぎが「第二の心臓」と呼ばれるのはそのためです。
さらに、冬は動くのがおっくうになり、暖かい部屋でじっとしている時間が増えがち。
筋肉を使わない時間が長くなると、ますます血の流れが滞り、冷えが進んでしまいます。
つまり──**寒いと動かなくなり、動かないともっと寒くなる。**これが冷えの悪循環です。
筋肉で温める:生活の中でできる3つの工夫
① 朝と夜の「ちょこっと筋トレ」
筋トレというとジムに通うようなイメージがありますが、毎日の生活に少しずつ取り入れるだけでも効果はあります。
おすすめは、次の3つです。
- つま先立ち運動:歯みがき中に10回×2セット
- スクワット:テレビのCM中に5〜10回
- 足首まわし:寝る前に10回ほど、足の血流を促す
続けることで、下半身の筋肉が目覚め、体の内側からじんわり温かくなります。
② お風呂で「温めてから動かす」
38〜40℃くらいのぬるめのお湯に10分ほどゆっくり浸かり、体の芯まで温めましょう。
お風呂の中では無理に動かさず、リラックスすることが大切です。
湯上がり直後、体がまだ温かいうちにふくらはぎや太ももを軽く伸ばすと、血流が一気によくなります。
そのあと靴下を履いて熱を逃がさないようにすると、冷えが戻りにくくなります。
③ タンパク質と水分を意識する
筋肉を維持するには“材料”も大切です。
肉・魚・卵・豆腐などをバランスよく摂り、1日3食しっかり食べる。
また、寒い時期は水分を摂る量が減りがちですが、血流を保つためには温かい飲み物でこまめな水分補給を。
おすすめは朝の「白湯1杯」。胃腸が温まり、体のスイッチが入ります。
続ける理由:筋肉がつくる“体の暖房装置”
筋肉は「動かす」だけでなく「体温を保つ」役割も果たしています。
体温が1℃上がると、基礎代謝が約10%上がると言われています。
つまり、筋肉がある=代謝が高く、冷えにくい体なのです。
実際に、毎晩ストレッチやつま先立ちを習慣にしている人は、手足の冷えだけでなく「朝のだるさ」や「肩こり」も軽くなったという声が多くあります。
冷えの改善は、体の疲れや睡眠の質にもつながっていくのです。
冷えを感じるのは、体が「もう少し動いてほしい」と教えてくれているサイン。
まずは今日から、寝る前の1分間だけでもふくらはぎを動かすことから始めてみませんか。
小さな積み重ねが、体を温め、心を軽くしてくれます。
寒さの中でも、あなたの体はきっと変われます。
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