到着から3日間、天気は気まぐれ。ときに土砂降り、ときに小雨──それでも一歩外へ出れば、そこには人の温度と街の息づかいがありました。雨が旅の色を少し変えてくれたおかげで、ハノイの“逞しさ”と“あたたかさ”をより濃く感じられたように思います。
1日目:活気に圧倒された夜、街の鼓動を感じて
初日は街じゅうがお祭りムード。交通規制でトレインストリートには辿り着けなかったけれど、旧市街の熱気と人々の笑顔、ひっきりなしに行き交うバイクの波に、「生きている街」の勢いを全身で浴びました。
トレインストリートを断念した後は、まるでイタリア・ベニスのような運河とカラフルな街並みが広がるグランドワールド・フーコックへ。旧市街とは別世界の景観に心がほどけ、写真を撮りながらのんびり散策。水辺に反射する建物の色彩が、雨上がりの空と相まってとても印象的でした。


その後、再び旧市街へ戻ってナイトマーケットへ。細い路地もバイクが行き交い、道を渡るのは命懸けのように感じるほど。でも不思議と事故は見かけず、地元の人は平然と歩いていきます。海外生活の経験がある娘は躊躇なく車やバイクの流れを読み、すっと横断。行きたい場所へ迷わず辿り着くその逞しさに、私たちはハラハラしながらも頼もしさを感じました。


2日目:念願のトレインストリート、線路すれすれの迫力
朝はホテルでのんびり。ベトナムコーヒーの濃密なコクに旅気分が一気に高まります。
この日は無事トレインストリートへ。線路脇のカフェでベトナム料理をつまみながら電車を待つひととき。やがて、私たちのテーブルすれすれを列車が通過——迫力に思わず息をのみました。長居した私たちに店員さんはずっと親切で、ハノイの人のやわらかさに触れた時間でもありました。

その後は雑貨マーケットへ。値下げ交渉も笑顔での会話のうち。色柄豊かな小物をお土産に選び、締めくくりはフットマッサージ。たくさん歩いた足がふわっと軽くなりました。



3日目:大雨と冠水、それでも前へ進む人たち
ツアー(クルーズ)は大雨で参加できず残念…。タクシーも呼びにくいほどの雨で、道はあちこち冠水。それでも、雨の合間にホテル周辺を散策し、お昼はショッピングモールで“火鍋”に挑戦。私は初めてでしたが、娘は海外滞在中の定番だったそうで、ハフハフ言いながら体の芯まで温まりました。
午後は「日本の温泉」スタイルの施設へ。お湯を清潔に保つための細かなルールを、現地スタッフが一生懸命に説明してくれます。日本人の私たちには少し不思議な感じもありつつ、“文化を丁寧に伝えよう”としてくれる姿勢がうれしく、ありがたかったです。
そして、道路状況が悪化する前に早めに空港へ。どのタクシー運転手さんも、難しい道でもあきらめずに目的地へ。時に日本なら断られてしまうかもしれない状況でも、「なんとかする」粘り強さに胸を打たれました。


旅のあとがき:世界は広く、日常は尊い
5時間ほどのフライトで日本へ。ペットホテルで待っていてくれたフレンチブルドッグのブウを迎え、私たちはまた日常へ戻ります。


今回の旅で感じたのは、“雨に負けない暮らしの逞しさ”と“見知らぬ誰かに向けられるやさしさ”。世界は広く、さまざまな土地で、誰もがそれぞれの毎日をがんばって生きている——その当たり前が、帰ってきた今、とても尊く感じられます。
小さな実用メモ(雨季のハノイで助かったこと)
- 移動は早めに判断:冠水の前に出発。配車アプリがつかまりにくい時は幹線道路まで歩くのも一手。
- 雨装備は“軽く&すぐ乾く”:折りたたみ傘+薄手のレインジャケット。靴は乾きやすい素材が◎。
- マーケットの交渉は笑顔で:まずは挨拶と感謝。相場を掴みつつ、最後は気持ちよく。
- 温泉・サウナ施設:現地流のルールや動線に沿えば快適。わからないことはスタッフさんに聞くのが近道。
合わせて読みたい記事
- Everyday A Gift|娘の入院から学んだ“当たり前”の尊さ
- もう限界と思った時に…介護を一人で抱え込まないために
- Relax Yoga – Shoulders & Neck(肩と首がほどけるやさしいヨガ)
コメント