ヨガの時間は、私にとって心を落ち着けるための、大切な“自分だけの時間”です。
ヨガをしていなかった頃は、自分のことを見つめ直す機会など、ほとんどありませんでした。
心身ともに疲弊していることには気づいていましたが、「耐えなければいけない」と思っていたのです。
それが大人として、母親として、当たり前のことのように感じていました。
けれど、ヨガを続けるうちに「もっと自分を大切にしていいんだ」と思えるようになりました。
それは誰かに教わったのではなく、静かな時間の中で少しずつ生まれてきた気づきでした。
忙しさの中で忘れていた「自分」という存在
子育てと仕事に追われていた頃、自分のために使える時間はほとんどありませんでした。
いつも誰かのために動き、考え、気づけば自分の気持ちは後回し。
疲れていても「みんなも同じだから」と思い込み、
こうやって誰もが頑張って生きているのだと信じていました。
けれど今振り返ると、その考え方は少し偏っていたように思います。
若く自由な発想を持つ子どもたちにまで、私と同じように“頑張ること”を求めてしまっていました。
「こうあるべき」「こうしなければいけない」という思い込みの中で、
いつの間にか、自分にも他人にも厳しくなっていたのかもしれません。
ヨガが教えてくれた「今ここにいる」という感覚
最初は運動不足解消のために始めたヨガでしたが、
続けるうちに、体を動かすこと以上の大切な何かを感じるようになりました。
呼吸に意識を向けながらポーズをとると、
頭の中にあった“考えすぎる自分”が少しずつ静まっていきます。
深く息を吸って、ゆっくり吐くだけで、
「今この瞬間」に戻れる——そんな感覚です。
ヨガを終えたあと、体の中に澄んだ空気が流れるようなすっきりした感覚があります。
その心地よさが、自然と“誰かに優しくしたい”という気持ちにつながっていく。
ヨガは、心と体の余白をつくってくれる時間だと感じます。
「自分を大切にすること」は、人を大切にすること
ヨガを通して気づいたのは、「自分を大切にすることは、わがままではない」ということです。
むしろ、自分を整えることが、人にやさしくできるための土台になるのだと感じます。
以前の私は、誰かのために我慢することが当たり前でした。
でも、少しずつ“自分をいたわる”という選択をできるようになってから、
同じように誰かを思いやる気持ちが、より自然に湧いてくるようになりました。
たとえば寝る前の5分でもいい。
深呼吸をして「今日もお疲れさま」と自分に声をかけるだけで、心の調子が変わります。
そんな小さな時間が、自分を支え、
まわりの空気までやわらかくしてくれるように感じます。
日常の中でできる、小さな“整える習慣”
ヨガマットがなくても、心を整えることはできます。
たとえば——
- 朝、起きたら窓を開けて新しい空気を吸う。
- 歩くときに、地面を踏む足の感覚を意識してみる。
- 寝る前に「今日もよく頑張った」と自分をねぎらう。
どれもほんの数秒でできることですが、
続けるうちに少しずつ“心の姿勢”が変わっていきます。
大切なのは、完璧を求めることではなく、
「今の自分」をそのまま受け入れること。
ヨガが教えてくれたのは、
心と体は別々ではなく、ひとつであるということ。
自分を大切にすることは、誰かを思いやる力にもつながっているのです。
ヨガを始めてから、私はようやく「自分を置き去りにしない生き方」を少しずつ取り戻しました。
何か特別なことをしなくても、呼吸を整えるだけで心は穏やかになります。
毎日の中でほんの少し、“自分にやさしい時間”を持ってみませんか。
それが、心を整えるいちばんやさしい習慣です。
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